また近くのガソリンスタンドが廃業してしまった。
営業中のガソリンスタンドを探すのが大変!
皆さんの周りにも廃業したガソリンスタンド増えていませんか?
実はガソリンスタンド(給油所)は20年前の半分に減少しているのです。
今回は増加するガソリンスタンド(給油所)廃業のお話です。
20年前から半減
経済産業省によると、ガソリンスタンド(給油所)は1994年(平成6年)をピークに23年連続で減少しています。
ピーク時の1994年(平成6年)の店舗数60,421店から、2017年(平成29)年の店舗数30,747店と29,674店も廃業しています。
店舗数も1995年(平成7年)から2017年(平成29年)の23年間連続で減少しています。
「近くのガソリンスタンドが廃業してしまった」「営業中のガソリンスタンドが減ってしまった」と感じるのも納得です。
実際に20年くらいでガソリンスタンドの数が半減しているのですから。
給油所数の推移
平成 | 新設 | 廃止 | 給油所数 | 増減 |
---|---|---|---|---|
6 | 1,244 | 556 | 60,421 | 688 |
7 | 1,574 | 2,005 | 59,990 | ▲431 |
8 | 1,200 | 1,575 | 59,615 | ▲375 |
9 | 607 | 1,959 | 58,263 | ▲1,352 |
10 | 447 | 2,266 | 56,444 | ▲1,819 |
11 | 308 | 1,599 | 55,153 | ▲1,291 |
12 | 357 | 1,806 | 53,704 | ▲1,449 |
13 | 337 | 1,449 | 52,592 | ▲1,112 |
14 | 340 | 1,638 | 51,294 | ▲1,298 |
15 | 471 | 1,698 | 50,067 | ▲1,227 |
16 | 459 | 1,854 | 48,672 | ▲1,395 |
17 | 423 | 1,511 | 47,584 | ▲1,088 |
18 | 609 | 2,401 | 45,792 | ▲1,792 |
19 | 457 | 2,192 | 44,057 | ▲1,735 |
20 | 416 | 2,383 | 42,090 | ▲1,967 |
21 | 308 | 2,041 | 40,357 | ▲1,733 |
22 | 153 | 1,733 | 38,777 | ▲1,580 |
23 | 146 | 1,180 | 37,743 | ▲1,034 |
24 | 227 | 1,621 | 36,349 | ▲1,394 |
25 | 235 | 1,878 | 34,706 | ▲1,643 |
26 | 219 | 1,415 | 33,510 | ▲1,196 |
27 | 202 | 1,379 | 32,333 | ▲1,177 |
28 | 162 | 1,028 | 31,467 | ▲866 |
29 | 126 | 846 | 30,747 | ▲720 |
※▲はマイナス(減少)
給油所過疎地も増加
経済産業省ではガソリンスタンド(SS:サービスステーション)数が3ヶ所以下の市町村を「SS過疎地」としています。
平成30年3月31日時点で「SS過疎地」の数は312市町村と、昨年度から10市町村増加しています。
市町村内に1ヶ所もSSが存在しない、「SS0ヶ所」は10町村もあります。
「SS1ヶ所」は79町村と、ガソリンスタンド(SS:サービスステーション)の数が少ない町村は増加しているようです。
近隣にSSがない地域では、自家用車や農業機械への給油や、移動手段が無い高齢者への灯油配送などに支障を来す恐れがあります。
「SS過疎地問題」は、地域住民の生活環境の維持及び防災上の観点から、全国的な課題となっています。
SS過疎地域
SS数 | 市町村 |
---|---|
0ヶ所 | 10 |
1ヶ所 | 79 |
2ヶ所 | 103 |
3ヶ所 | 120 |
合計 | 312 |
減少の原因「消防法改正」
減少の理由として考えられるのは、2011年の消防法の改正です。
ガソリンスタンドの地下に埋められている貯蔵タンクが40年以上経過して老朽化した場合に補修するころが義務となりました。
一定の補助金は出るものの、補修・改修費用が高額となるため貯蔵タンクの補修ができずに廃業したガソリンスタンドも多いようです。
実際に2011年の廃業数1,180店、2012年の廃業数1,621店、2013年の廃業数1,873店と法改正後に増加しています。
低燃費車の増加
消防法改正だけがガソリンスタンド廃業の原因ではないようです。
近年は技術の向上などにより、エコカーなど車の低燃費化が進んでいます。
ユーザーにとってはありがたいのですが、ガソリンを売っているスタンドにとっては売上減少の要因です。
燃費が良すぎる車が増えると、ガソリンはそれだけ売れなくなります。
さらに、ハイブリットやEV(電気自動車)の増加によるガソリンの売上減少も廃業の要因と考えられます。
深刻な車離れ
さらに追い打ちをかけているのが、「若者のクルマ離れ」などカーユーザーそのものの減少でしょう。
当然ながら、車の数が減れば必要なガソリンの量も減少します。
ガソリンを売る商売をしているガソリンスタンド(SS)が減少や廃業するのも納得です。
高齢化により高齢者の免許返納の増加などもガソリンスタンドの経営を圧迫していると考えられます。
まとめ
近くのガソリンスタンドが少なくなった、営業中のSSが減少しているなど感覚ではなく、実際にかなり減少しているようです。
しかし、ガソリンスタンドは「ライフライン」としての役割もあるので、完全に無くなるのは困ります。
政府も貯蔵タンクの改修などに補助金を出したり対応をしているようですが、今後も減少することが予想されます。
地球環境(温暖化)のためには石油燃料の消費が減少するのはよいのかもしれません。
ただ、生活に影響するレベルまで深刻化するのは困りますね。
今後はEV(電気自動車)の時代になるのでしょうか、ハイブリットカーはガソリン必要ですし。
※統計情報:経済産業省
(http://www.meti.go.jp/press/2018/
07/20180719011/20180719011.html)